〜羽の黒い天使のお話〜


黒い羽をもった女の子、名前は「知らない」けど、何者なのかは『理解』できて、
彼女は”天使”だと『わかってる』。でも何で「何も知らない」かは知らないし、
自分の立っている場所も知らない。でも、彼女に不安は無い、

 なぜなら恐れを「知らない」のだから。危険を「理解しない」のだから。

そんな彼女はあてもなく、自分のことを探し出す。探して探していくうちに、
色んなモノにめぐり合う、

「痛み」を「知らない」モノ。
「喜び」を「知らない」モノ。
「怒り」を「知らない」モノ。

色々な「何か」を「知らない」者、物にふれて彼女は「何か」を「知っていく」。
「心」は「知っていく」のではなく「わかる」ものだと「知っていく」。

そんな彼女はあてもなく、世のことを学びだす。学んで学んでいくうちに、
色んなモノにめぐりあう、

 「歴史」を「理解しない」モノ。
「仕組み」を「理解しない」モノ。
 「利益」を「理解しない」モノ。

色々な「何か」を「理解しない」者、物に触れて彼女は「何か」を「理解する」。
「世界」は「理解する」のではなく「知識」なのだと「理解する」。

そんな彼女は行く先で「心」を「世界」を知っていく、知っていくうちに
きっと何かを「取り戻せる」気がするから。

彼女は天使。天使は死なないし、生きていない。愛をふりまくベリーキュート。

     でも彼女の「翼」は「黒」い。

彼女は「知る」たび「わかる」たびに不安を抱きだす
   なぜなら恐れを「知る」のだから。奇異を「理解する」のだから。
そんな彼女はあてもなく、人々に「愛」を「幸せ」をふりまく。まいてまいていくうちに、
とある”天使”にめぐり合う、

    「赤」い「翼」の”天使”は彼女にこう言った。

    「アナタは今までもこれからもアナタなのね。」

黒い羽の彼女が失ったのは「記録」だけ、「記憶」は失ってはいなかった。
「知らない」ことがあるのを知っただけ、「わからない」ものがあることがわかっただけ。

そんな彼女は謳いだす、「愛」を「幸せ」を

 なぜなら彼女は「彼女」なのだから、彼女は”天使”なのだから。


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