〜ロボのお話〜


雨の上がった小さな丘
靄がかかり、遠くまでは見渡せぬ
音の貧しい、モノクロの世界
世界に色が無いのではない
自分はそれを知ることが出来ないのだ

朽ちかけた体はただ帰りを待ち
動かぬ体はあの命(めい)を守ることができる

狂った回路は命をまつ
記録は最後の「音」を繰り返す

「私があなたの元に『帰って』くるまでは動いてはダメ。」

記録は最後の「像」をうつす
うれしそうに出かけていく主、何度も振り返りながら

記録の像に向かい「問い」を繰り返す

「『主よ』次のご命令を下さい・・・」

主の声は返ってこない。
動けぬ体はあの命(めい)を守ることができる
狂った回路は『誤差』を生む

「『主よ』次のご命令を・・・『主よ』・・・下さい・・・」

狂った回路は「願い」を生む

「『主よ』次のご命令を・・・『主よ』・・・『帰って』・・・下さい・・・」

声の主は帰ってこない。
記億は最期の「声」を繰り返す

「私があなたの元に『帰って』くるまでは動いてはダメ。」

記億は最期の「姿」をうつす
うれしそうに出かけていく主、何度も振り返りながら

記億の姿に向かい「願い」を繰り返す
動かぬ体はあの命(めい)を守ることができる
朽ちていく体はただ終わりを待つ


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